EC関連の用語だけではなく、日常意識せずに使用している言葉でも、その意味をきちんと把握していないという場合がよくあるかと思います。
そのような言葉として今回は「製品」と「商品」、そして「製品管理」という言葉の意味について考えてみたいと思います。
「商品」と「製品」の違いとは?
「商品」と「製品」という言葉ですが、普段何気なく使い分けている方も多いのではないでしょうか。
では、その2つの言葉の違いはご存じでしょうか?
「製品」は、文字通り製造された品物を指す言葉です。
一方で「商品」は、売り買いをする目的のための品物を指す言葉になります。
「製品」は全て「商品」というグループに含まれることになりますが、「商品」は「製品」以外の物も含みます。例えば、サービスなどです。サービスは工場のラインなどによって製造されたものではないので「製品」ではありませんが、それを売買することができる、という点では「商品」と言うことは可能です。
売るための付加価値が付いたものが「商品」
もう一歩話を進めて考えてみましょう。「製品」はどうしたら「商品」になるのでしょうか。それを欲しい人がいない限り、それは「製品」のままです。
「製品」に、マーケティングや営業的な活動を付け加えてものが「商品」である、という考えがあります。
「製品」はあくまで作り手側の意思や考えによって作られたものに過ぎませんが、その「製品」を「売り買いしたい」ということになると、何らかの販促活動や売れるためのパッケージ作りが必要となります。
売ろうとする意思のもと、「製品」に手を加えられた時に初めて、「商品」となるのです。
「製品管理」とは?
では、「製品管理」とはどのようなものなのでしょうか。
一般的には「生産管理」「品質管理」という言葉の方がよく聞かれるかと思います。「製品管理」という言葉は、それら「生産管理」「品質管理」という言葉よりも、やや曖昧な使われ方をしていると言えるかもしれません。
「生産管理」や「品質管理」は、文字通り製品を製造する過程で必要な管理業務のことです。例えば、納期、コスト、一定の品質を維持するための仕組み、生産個数、原材料の原価など、製品を作る上で必要な様々な要素を管理することです。
「製品管理」と言った場合には、そのようなことを全て含んだ管理を指す場合もありますし、できあがった製品を管理する業務、つまり「在庫管理」と同じ意味での使われ方をする場合もあります。
よって、「製品管理」という言葉が出てきた場合には、それがどのような範囲の業務の管理であるのかを、きちんと把握する必要があるでしょう。
「製品管理」業務が重要な理由
「製品」と「商品」の違いは先程説明しましたが、作られた製品は必ず販売されることになります。作り手側の意思によって作られる「製品」ではありますが、「販売される」ことを前提としている以上は、製品を作るときにも必ず「売ることを前提とした目線」が必要となってくるのです。
売るための製品作りには、先程説明しました納期、コスト、一定の品質など、様々な要素を加味しなければなりません。それらの管理なくしては、「製品」作りは成立しないと言っていいでしょう。
おわりに
メーカーの目的というのは、「良い製品を作り、それを売ることによって利益を上げること」です。
しかし、それと同時に「その製品を通して社会貢献をする」という役割があることも忘れてはいけないでしょう。作り出したものが、購入者の役に立ったり、生活が豊かになったりするために利用されることを前提として、製品は作られるべきだという考えです。そうした考えがまた、「製品管理」という業務にも生かされることになります。
「消費者の目線に立った製品を作り、それを販売するための管理」。大変大きな範囲の意味にはなりますが、「製品管理」の大きな意味とはそのようなものになるのではないでしょうか。